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『窓よりゆめを、ひかりの庭を』栗原寛歌集

どこよりも遅い歌集の感想です。はい。

『窓よりゆめを、ひかりの庭を』栗原寛さんの第二歌集だそうです。

はい。嫌いじゃないです。というより、好きですね(笑。

ひとりゐてみはるかすのみひらかざる窓よりゆめを、ひかりの庭を

題名になったこの作品は、集中、掉尾の歌です。なんとなく、武満徹が楽譜の隅っこに書きそうな詩句ですね。
「Dream Time」とか「鳥は星形の庭に降りる」とかをちょっと連想してしまいました。

が。この歌集に満ちている、音楽の「響き」は次のような歌の中に現れているのかもしれません。

月光の曲弾きをれば水面にうつれる影がゆれるまぼろし
原宿のホームのベルと散りゆける花 れらみれらみしらみれしら
かすかにも漏れくる曲は四分の三拍子 わが指うごきだす
みづからの模倣に堕していくゆふべ鼻歌もいつか単調になる

これらの歌、音楽好きならば納得してしまうのではないでしょうか。
「月光の曲」で、ドビュッシーを思うかベートーベンを思うのかは分かれるかもしれませんね。
「れらみれらみしらみれしら」という「楽譜」から頭の中で音が鳴る人であれば、この自然短音階が頭の中に響くでしょう。おそらくは、少し上の句の言葉に「付き過ぎ」な旋律になるかもしれません。

そしてもう少し特徴的なのは、この歌集の中の「性」を扱った歌かもしれません。

眠りこみたる青年の肌やすけくてライフタウンをバスのゆく昼
うつくしきよこがほなりし少年期をおもはせてこの若きちちおや
うつすらと髭の伸びゐて眠りゐる細きあぎとを指にてたどる
抱かれゐるあひだ触れられざりし指 あたためてをりひとりになりて
早足にすすんでしあふ夜なればきみの上着の裾をひつぱる

「青年」や「ちちおや」に対する、こうした「ラブ視線」が、人間に対する思いを感じさせるものでしょう。
すみません。僕は作者の栗原さんについては、面識もないので、名前から男性かと思っているのですが。これらの歌は、女子的な視点で詠まれた作品かもしれないので、もう少し、文脈をちゃんと読み込んだほうが良いのかもしれません(書きながら、解らなくなってきました(笑。すみません。

いつかうに視線の合はず半眼の仏像の目をのぞきこみても
月をその身に透かせゐる冬木立のやうにからだをひかりにさらす

自らを起点につつ、「他」との距離を測るための歌に、ひょっとしたら栗原さんの優しさが一番出ているのかもしれません。

しどろもどろですが、案外好きです。はい。
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